自分ばかりを抱きしめていたよ・・・・・
余った優しさしかやれなかった・・・・
人は、生きる事で精一杯になる時がある。
家族や友人や、また飼い猫にまで目が届かなくなる時がある・・・・・
でも汚く旨く立ち回る人間より、
犬や猫の方が俺には気が合う。
難しい話はしなくていい。
野望もライバル心も嫉妬もそこには、存在しない。
犬猫を可愛がっている様で、
逆に癒しを貰ってるのは人間の方だと思う・・・・・・
俺のガキの頃は、路地裏や通学路で、
野良猫や野良犬をたくさん見て育った・・・・・
それが日常の光景であった。
あれは、小学生中学年の時であったか?
たぶん4年生の時だと思う。
通学路に、野良犬の土佐犬が現れて
人間に襲いかかるという事件が相次いで起こった。
土佐犬に食い殺された人がいるとまで、噂が流れた。
当然、俺はその土佐犬を倒そうと、
毎日待ち伏せをしていた!!
だが、土佐犬は日本を代表する狂犬であり、
人をかみ殺す程、鋭い牙を持つ闘犬である。
覚悟は必要である。
その日も何人かで土佐犬を待ち伏せした。
ついに、強敵が目の前に現れた・・・・・・
体重は推定60キロはある・・・・
小学4年生の俺とは階級が違う・・・・
だが、ここで負けるわけにはいかない・・・・
だが、同級生はその土佐犬を観た瞬間、誰もが逃げ出した。
俺は金属バット片手に土佐犬に戦いを挑んだ。
すると・・・・・
今でも忘れない。
俺にすり寄って来て、なついて来る・・・・・
とても可愛い奴だ。
人を食い殺すとか噂を流したのは誰だ?
外見だけで判断する人間の決めつけにしか過ぎない・・・・
俺はその日から学校の帰りに給食のパンを盗んでその土佐犬に持って行った。
本当に良く食べる奴であった。
だが、数日後・・・・・
土佐犬は姿を消した・・・
その辺りで寝ていたホームレスのおっちゃんに聞いら、
何人かの大人に捕獲され連れて行かれたと言う。
(兄ちゃん・・・・保健所に連れてかれて毒殺されたんだよ)
おっちゃんは一言そう呟いた・・・・・・・
今の家の近所に運河があって、
そこに沢山の野良猫がいる。
猫と言うのは、原則、人を見るとすぐに逃げる生き物であるが、
この周辺の野良猫は人に良く懐いて来る。
中には公園のベンチに座っていると、
膝に上に乗って来る猫もいる。
暫く猫と一緒に、夕暮れの景色をそのまま眺める時がある。
細やかな幸福な時間だ。
人を蹴落とし、自分だけが上に登る事ばかり考えてる人間ばかり見てると、
この瞬間は幸福の時と呼べる。
だが、最近、この辺りの猫たちが消えて行く・・・・・・
いつもの様に運河沿いの公園に行くと猫達の姿が見えない・・・・・・
膝の上に乗って来る猫をそのまま、運河に投げ捨てる・・・
そんな事件が相次いだ・・・・・・
無垢な猫を川に放り捨てる・・・・・・・
(お願いします 人を信じて細々と生きている猫を川に投げ込まないでください)
本当の悪は人間だ。
警察も犬猫の事だと事件にする事も無い・・・・・・
野良犬や野良猫に暖かい春なんてやっては来ない・・・・・
俺は独り、あの猫達と遊んだ公園に腰かけ夕暮れを眺めている・・・・・・
今日のバンド!
日本一、優しいバンド ブルーハーツでレストラン
太陽の光が当たらなくても、優しい心を持ち続けたい・・・・・・