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Channel: 志度拓哉のブログ
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1990年代 渋谷 ロックンロールと淡い夢物語

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THE HONG KONG KNIFE - 1950

BGMは決まって静かに甘いバディーホリー

この部屋にはソーダみたいなPOPなグリースの香りが漂う・・・・


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HOTでもなきゃCOOLでもない・・・ただのシラケタ時代だった。 

バブルはすでに崩壊しながらも、街はまだ見えない未来に怯える事もなく浮かれている様にも見えた。 
目の前の自由と財布の中の札束以外、信用出来ない思春期末期の頃。
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原宿歩行者天国にはローラ族も竹の子族もいない。アマチュアバンドのストリート演奏すら聞こえない。 

渋谷系なんて言われたコーネリアスのコスプレした爽やかな若者とヤマンバみたいなカッコしたコギャルと呼ばれる少女達が目につく程度だ! 
代々木公園からNHKを抜けると、右翼が街宣車に乗り演説をしている。
近くに寄ればどこか見覚えがある顔。鳥肌実42歳厄年・・・・
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それでも裏道のキャットストリート辺りはほんの少しロックと芸術がコラボしたような印象があった。 

その昔、この辺りのアパレル店で働いた事があった!
時として憧れのミュージシャン達が客として現れるのが楽しかった!コートニーラブ、ブライアンセッツァー、森山達也!

彼達は24時間ロックンロールをしていた。歩く様も話し方も洋服の選び方すら独自なステップを踏んでいた。 
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店が終わるのが21時過ぎ頃、やる事もない日はセンター街方面に繰り出した!赤い制服を着たボランティアのガーディアンエンジェルと呼ばれるパトロール隊が徘徊する。 
元祖チーマーと呼ばれた渋カジなんかもこの頃は殆ど見かける事はなかった。 

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センター街のHMVの前を歩くとかならずイラン人のプッシャーが俺に声をかけて来る。 
「いいのあるよ!!何探してるの?」

「あんた以外の物さ」

違法な物も路上で手に入る。都会のど真ん中と呼ばれる場所で金さえ出せば何でも買える。
。 

センター街の外れデパート街にはシャッターが閉まっている!アメ車に乗りレッドウィングにショットを決めた若者が集まる、閉ざされた街に爆音でロックンロールが響き渡る! 

サックス等楽団隊の演奏からロカビリーやスカが流れて来る! 


ジャックナイフだ!
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渋谷公会堂のライブを終えて二次会の如く彼らはストリートに戻りビートを刻む!

錆びた時代に熱いものを投げ掛けて来る様だ!
ホンモノとこだわりは通用しない世の中になったな?
でも我が道を突き進んだ奴が勝ちだ!!
男は今はバイク一つで少年院ツアーを周りR&Rを叫び続ける。

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深夜になってもこの街は眠る事はない。

百軒店と呼ばれる酒場等が密集した小さな店で飲むのが日課だった。
向かいに座る怖顔のオッサンが俺に話しかけて来る。

この辺りは昔は喧嘩ばかりでね。 力道山やマス大山あたりとも揉めたりしたよ!格闘家でもゴロ(喧嘩)なら負けないよ!
元安藤組と名乗るオッサン達が年甲斐もなく昔を語る姿は少年の目に戻る。 

男とは愚かな生き物だ。 
トムウェイツなんかが流れるバーを出る頃には朝日が浴びている。
この街はゴミの谷間にさえ見えた。 
そこにカラス達の群れが一気に朝食にありつく。 
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井の頭線辺りの24時間やってる地下の酒場で昼間で飲む!

今日は休日だ!何をしていても自由だろ?
10代の俺にもチューハイの旨さくらいは理解できたさ!
あの味気もない甲類焼酎を炭酸で割っただけの日本のハイボールさ!


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目覚ましの音で目が覚める!

夢ってやたら不自然でストーリー性のかけらもないがやけに今朝の夢はリアルであった!


10代最後の記憶が何故か昨日の様にフラッシュバックしたからであろうか?

この部屋にはソーダみたいなPOPなグリースの香りが漂う・・・・
あの夏が聴こえてくる・・・・・










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