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武器マニアH 政府を巻き込む大騒動を起こした男。

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Chet Atkins Yakety Axe.avi


イメージ 1

44マグナム

スクリーンの中、クリント・イーストウッドに、
松田優作が手にすると様になる銃である。

俺も、幾つか、コレクション(当然、モデルガンであるが)
しており、20代より、時より撮影や仕事でも良く使用したものであり、
これは、女性には到底、理解されない魅力の一つであると、著者は思う。

子供の頃に、ルパン三世を見て、その後、ゴルゴ13、最も危険な遊戯・・・・・・
アメリカや、フランスのギャング映画にも、欠かす事の無い武器であり、
所詮、玩具のピストルではあるが、男の美学の一つであると思う。

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だが、以前、俺の友人で本当の武器マニアが存在した。

本当の武器マニアと言われても、どんな奴か理解出来ないで
あろうから、今回はこのとんでもない男の事を記載しよう。

そのHと言う奇妙な男に出会ったのは19歳位の頃で一年も満たない
付き合いであったと記憶している。

Hの職業はギターリストであった。
すでに、ギターを生業に飯を食えた箱バン時代では無かったが、
少し流行に乗ればミリオン(100万枚)セールスが平気で出た時代
であったので、便乗してプロの歌手やアイドル等のバックで
ギターを弾くと言う生活をしていた。

実際、Hのギターのテクニックは一流で、特に俺の好みの、チェット・アトキンス
並みのプレイを聴いた時に、聴き惚れた。
チェット・アトキンスと言えば、カントリーギターの神様と呼ばれ、グレッジギターの
ギャロッピング奏法を得意とする。
Hのギターを初めて聴いた時は、その小刻みな拳銃の様なギャロッピング音に、
ぶったまげたのを、憶えている。

当時は、クリソ関係の店で勤務して、MAGICみたいなロカビリーバンドを、
作りたかったので、強引にHをギターに引き入れた。

だが、Hの風貌は、大木凡人氏や南海キャンディーズの山里を、
足した感じで、ビジュアル重視なロカビリーバンドでは、見栄えがしないので、
片隅に置くか、レコーディング等で、活躍して貰った(ひどい?)

イメージ 3

Hは俺より、10歳程、年齢は上で、当時30歳位であったが、
ギターやロカビリーやカントリー、繋がりで違和感の無い、付き合いが出来た。
だがとにかく、Hは寡黙で、時々(ニヤッ)と笑みを浮かべる
以外、殆ど、会話に乗って来ない。

だが、ある時、松田優作フリークの俺は、優作映画の話を仲間としていると、
その話題に食いつき、優作が演じるそれぞれの役で持つ、
拳銃の種別をすべて答えるのである。

例えば、(蘇る金狼)の朝倉はMGC製の「コルト パイソン」の4インチ・モデルの
モデルガンに、パックマイヤー製のグリップだ、とか、遊戯シリーズの、この場面は、
スミス&ウェッソンM29-44マグナム、コルト・ガバメントM1911であるとか、
映画の内容や、優作以上に、その拳銃が何のメーカーであるとかに興味を示し
すべて、細かく知り尽くしているのである。

イメージ 4

それは、拳銃だけに留まらず、(武器)と呼ばれるものに、
対してかなりのマニアであった。

ある時、いつも、ぶら下げているHのリックサックの中に、
警棒やスタンガンが入っていたので、
「何の為に、入れてるの?」
と聞いたら、自分を武装し、身を守る為だと答えたのだ。

武装?この日本で不良(ヤクザ)や警備で無い限り、
一般人、それも大木凡人相手に何かをするなんて事は殆ど無に近いであろう。

だが、Hはその他に、バタフライナイフや、痴漢防止の催涙スプレー等も、
常時、持ち歩いていたのだ。

その催涙スプレーのお陰で、Hは警察総勢数百名を動かす事件を起こすのである。

催涙スプレー、当時は上野アメ横のガード下や通信販売等で、良く売られていた
もので、スプレーを一押ししたら、タバスコの何十倍も濃い、水蒸気が吹き上がり、
かけられた相手は、目や喉は痛み、苦しみ、せき込み、近くにいる本人ですら、
修羅場になる程の強烈なものを持参していた。

「何十種類、試した中で、これがダントツだよ」
と笑みを浮かべ呟くHだが、
そんなスプレー何十種類も試し買いする必要性の
レクチャーを、聞きたい程だったがあえて聞かなかった。

ましてや、大木凡人相手に、痴漢する奴は、この世に
一人もいないと断言出来る。

本題に戻ろう。何故、警察が大騒ぎする事件に発展したかと言うと、忘れもしない・・・・・・

その日、浜田山か、永福町辺りのファミリーレストランで、Hと数人のバンド仲間で
ランチをしていた。

向かいの席には、丁度、絵に描いたニグロパンチのヤンキー達、数人が食事をしていて、こちらも、ロカビリースタイルだったので、
H以外は皆、リーゼントヘヤにタトゥー彫りで、どう見ても不良集団に見える。

ニグロ集団は、そのうち、こちら側を威嚇攻撃して来る。
地元によそ者が入って来ると、意味なく喧嘩を仕掛ける
馬鹿はどの地域にも存在する。

メンドクサイから、イザとなれば、全員、表に連れ出せば良いと思ったのだが、
突然、Hがトイレに立ちあがると、
いきなり、ポケットから、持参の催涙スプレーを取り出し、
(ニヤッ)と笑いながら、ニグロ軍団、全員に向かって何発もスプレーを巻き散らすのである。

ニグロ軍団はせき込み、一瞬、目が見えなくなる恐怖にもがく・・・・・

だが、Hの巻いた、催涙スプレーは、ニグロ軍団どころか、ファミレス全体の、
客を巻き込み、当然、俺達まで咳込み、苦しんだ。

凄い、効力の催涙スプレーだ!!
関心している場合でない・・・・・

大袈裟でなく、店員含め、そのファミレスは催涙スプレーの修羅場になった。
ファミレス全体から、咳込む音が響く。

だが張本人のHだけは、冷静で、会計を済ませ、外に出る。
仕方なく、俺達もついて行く。

外に出たら、凄いパトカーと消防車のサイレンの音が響く。
後から、何台、何台と数え切れない程のパトカーや救急車まで
ファミレスを取り囲む。

大袈裟だな・・・・だが拘わりたく無い・・・・が様子を見たい。

イメージ 5

当時、ある歴史的犯罪事件が起こった、数日後であった。

日本中を震撼させた、オウム真理教の地下鉄サリン事件であった。

しかも、その日は、まだ、警察もオウム真理教が黒幕とは、特定していない
時期で、ファミレス側も、警察側も、ここに、地下鉄サリンの実行犯が現れた
と思ったのであろう。

凄い、数の警官や私服刑事まで出動してこの辺りはパニック状態になった。

実行犯のHの姿は、もはや、そこには無かった。

幾ら、合法で販売されたとは言え、催涙スプレーやバタフライナイフを所持していたら、銃刀法違反になるし、催涙スプレーを巻いた行動は下手すりゃ、
傷害か暴行の、罪名が加わる可能性がある。

何より、この騒ぎだ。

H以外のバンド仲間は何も無かったかの様に、スタジオに入り、
恐らく、あのニグロパンチ軍団が冤罪で逮捕されたか?
程の事しか考えていなかった。

後の調査で当然、催涙スプレーは一瞬の(苦)があるだけで、
後遺症なども、ゼロで、ニグロ軍団の簡単な悪戯の仕業、
程度で騒ぎは収まったと言う。

数日後、浅原含む、オウム真理教の信者も逮捕され、
サリン事件も幕を閉じるのであるが・・・・・・


幾ら、悪戯とはいえ、こんな大きな騒ぎをおこしたHは?


後に、趣味を超す、武器収集の数々から、
警察に、ガサ入れを食らい、
そこに、なんと、趣味を超して購入した実銃が紛れていたと言う。

日本で実銃を持っていたら、最低二年は、(弁当)執行猶予が付かず、
刑務所直行である。

趣味の度を超し、Hは黒羽刑務所に収監された。

それ以降、Hには会っていない。
今頃、何処かでギターを弾いているか、また実銃を手にして、
懲役に行っているのか、誰も知らない。

武器マニアな趣味さえなければ、あのギターテク・・・・・・

この馬鹿とも呼べる、天才なギタープレイもマニアだからこそ、
出せたものと後から、考えたら理解出来た。

マニアとは、この世で本当に、好きなものに出会えた人の事を言う。

今日のナンバー、この人ごめんなさい・・・・・
当時のHと被るギタープレイをする人を偶然見つけた・・・・・
Hかと思った(すみません)

笑天のテーマのギャロッピング


この人のギター本当にいいな!!
このテクは武器になるな!!









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