OST Ashita no Joe opening full
東京・・・
東洋の大都会といわれるマンモス都市東京
そのはなやかな東京のかたすみに
ある・・・・・・ほんのかたすみに
ふきすさぶ こがらしのためにできた
道ばたのほこりっぽいふきだまりのような
あるいは川の流れがよどんで岸のくぼみに群れあつまる色あせた流木やごみくずのような
そんな街があるのをみなさんはごぞんじだろうか?
この物語は そんな街の一角からはじまる・・・・
東京にあるスラム街と呼ばれた街に辿り着いたのは、
冬の終わりの、木枯らしの吹く午後であった。
銀座、新宿、渋谷など、いわゆる大都会、東京の街では
想像が出来ない淀んだ街がそこには存在した。
世の中のシステムから追いやられるように、
男たちは、この街に消える。
博打、女、ギャンブルにはまり一般社会の歯車から抜けたもの・・・・
不景気で仕事が無く、この街に望んでやって来たもの・・・・・・
誰のせいでも無い・・・自ら望んだ生き方だ。
だが、その気次第で、もう一度どこまでも羽ばたけるのだ!!
すべては自分次第!!
泪橋を渡った。
そして、この橋を渡ると一般社会には二度と戻る事が無くなると言う。
だったら泪橋を逆から渡らないか?
志度拓哉のブラリ街!!
叩け!!たたけ!!叩け!!!
今日は久々にやって来た!!
台東区山谷に!!
俺の最も得意分野の街であるが、
ブラリ街には、数年前に一度だけ書いただけであった。
山谷(さんや)と読む。
そんな地名はもう残っていない。
この街はどんな街?
日本に数箇所しかない、ドヤ街で有名である。
ドヤ街とは?宿(ヤド)を逆さに呼んだ意味を示す。
浮浪者やその日暮らしの人間が集まり出来た街。
西には西成区の愛隣地区が有名だ。
神奈川には、寿町や八丁畷、
そして東京ではこの山谷が有名なドヤ町に値するのであるが、
最近、この山谷も変化しつつある。
まず、俺を迎えてくれたのが矢吹丈だった!!
OHHHH、ジョー会いたかったぜ!!
(丹下のおっちゃん風)
あまりジョー似てないな?
青びょうたんみたいな顔だな。
俺がどの位、あしたのジョーが好きか?
もちろん、全巻コミックは持っているが、
読まなくても、何巻にどんなシーンがあるか殆ど言える程、
読み込んだ漫画である。
読んだ事ない?
男のくせに甘い人生、生きてるな!!
商店街の入り口はサチが迎えてくれる。
以前、山谷をブラリした時はこんな町では無かったのだが、
これも地域、活性化であろう。
いろは会商店街。
前はこの商店街はアル中が寝てたり、
暴れたりと大変であったが、今はどうなっているのであろう?
あちこち、矢吹丈がいるから、
キ○ガイ率は低くなっていた。
青びょうたんもいるな!!
丹下のおっちゃんだ!!
カーロスリベラは?俺はカーロスファンなのに見当たらない。
どこまでもアウトローな奴だ!!マンモスは?ウルフ金串は?
ハリマオの銅像も建ててくれよ。
道で野菜やパンが売られている。
この光景は西成にも通じるものがある。
だが、山谷はあしたのジョー効果で治安も以前よりだいぶマシになった。
西成も名物漫画(じゃりん子チエ)をそこらに建てて、活性化すれば良い。
いや、あの街は、そんなもの壊されるか、どこかに売られるだけであろう・・・・
だが、あしたのジョーは本当にファンが多いから、
それでボクサーになったり、この町に住んだりした輩が存在すると思う。
このジョーのパネルまじ欲しいな!!
遊郭町だった吉原大門のそばの天ぷらやは大繁盛!!
飛田新地の鯛よし百番に通じる風格があるな。
この辺りの裏路地は細く、簡易ホテル(ドヤ)がたくさん存在する。
だが、値段は一泊2000円、月なら60000円はするので、
自分でアパートを借りるのが正解だと思うが、
身分書も仕事も保証人もない人になかなか、家を貸す人はいない。
今はネットカフェなんかに泊まる民族がそうなんであろうが、
こちらはれっきとした、個室である。
ちなみに、大阪に西成は800円で24時間泊まれる宿もあるので、
やはり、同じスラムでも東京価格になっているのである。
また国から援助を受けている生活保護者もこの宿で暮らしている。
昔から、その為に用意されている街である。
交通の便も、南千住駅には10分もあれば辿り着くし、
浅草にも徒歩で行ける立地の良さでもある。
朝6時を過ぎると、大型バスやバンが止り、
その日の作業現場に人を集め送迎する。
今や、不景気で仕事も減り、路上生活をするしか無い人達もたくさん
存在する。
だが、この街に来たら色んな人達と出会える。
商店街の路上で酒を飲み昼間からクダを巻いてる男に話かける。
「写真はやめてくれよな」
ワンカップ日本酒、二本で取材に応じてくれた。
なんでこの街に来たのですか?
「気合う奴がいるからね・・・・・
だから人は山谷を悪く言うが、俺たちにとっては最後の楽園なんだ」
もともとは、電機の配線などの修理を行う会社を経営していたらしい。
だが、仕事は大手に持っていかれ、会社は倒産し負債を抱え、
女房、子供から逃げるようにこの街にやって来たという。
「サラリーマンは定年まで組織の規律を守り生きていくしかない。
シャバにいても囚人のようなもんだよ。俺たちは、昼間から酒が飲めて
寝たいときに寝れるから、自由なんだよ」
人はみんな。プリズナー・・・・
社会に入る事で規律や法に縛られるのは、
殆どの人間が同じである。
だが、そんな生き方が出来ない男たちが集まる街であるのだ。
長生きしなよ、おっちゃんも!!
そしていつか、また岩手に帰り、子供に会える男に戻るんだ!!
おっちゃんと別れ、更に山谷の奥地に入り込む。
こんなところに、公園があるじゃないか!!
洒落てるな!!
山谷の中央にある(玉姫公園)
あしたのジョーの冒頭で丈はこの公園に辿り着き丹下のおっちゃんと出会い
ボクサーになるのである。
紀ちゃんとの一度のデートをしたり、カーロスリベラがお土産を配ったり
劇中何度も登場する公園である。
西成の萩之茶屋公園みたいに、街頭テレビは無いものの、
ここでボランティアが炊き出しゴハンを無償で配ったりもしている。
東京で一番、アウトローな公園はこの玉姫公園であろう。
山谷やられたらやりかえせ
監督が二人も殺害されるという
ノンフィクション映画が誕生したのも
この街であり、昔から事情が溜まった街でもあるのだ。
山谷のマンモス交番。
それだけ事件も多いのか、交番も大きく、
数名の警官がいつも常勤している。
すれ違う人々は作業着を着た人がやたらに目立つ。
また、ゴム等もそこら破棄する人が多いのか?
やたら張り紙の数も目立つ。
今日の仕事は辛かった、後は焼酎を煽るだけ。
岡林の山谷ブルースや、三輪明宏のよいとまけの唄の世界そのままである。
今日は、あしたのジョー誕生の街を歩いた。
この舞台設定は原作者の梶原一騎ではなく、下町生まれの
ちばてつやの案であると言う。
これは大正解である。
灰色の街から抜け出す、
サクセスストーリーがまたこの漫画の大きな見せ場で
あるからだ。
どんなに時が流れても色あせることなく
輝いた・・・そして真っ白に燃え尽きた男の物語はここで完結だ。
今日のナンバー、泣けてきやがるな・・・・
果てしなき闇の彼方に
今日も熱い酒が飲めそうだ!!